IBM i 学習日記:Day 0

社内の謎の黒い筐体「IBM i」に迫る

社内には IBM i(アイビーエムアイ) と呼ばれるサーバーがあります。

へーしゃの社長はこれを「AS/400(エーエスヨンヒャク)」 とも呼んでいます。
RPG(アールピージー)という言語を使って開発をするそうです。

(ちなみに社長は Java や PHP などの言語をオープン系と呼ぶことがあります。自分にはオープンが何を指して何がクローズな言語なのかさっぱりわかりません)

自分が触ることはありません。業務で関わることもほとんどありません。関連しているらしいPHP のアプリを改修することはあります。

操作画面は緑色の文字が表示される、いわゆる「ターミナル」というものらしいです。
操作方法は知らないし、特に調べようとも思っていませんでした。

これはサーバーと呼んでいいものなのか?OS は入っているのか?DB は?そもそも自分の知識や語彙で表現できる存在なのか?

考え始めるとだんだんキューブリックの映画に出てくるモノリスに見えてきます。

以下のようなキーワードで検索しても一般的なエンジニア向けメディアではほとんど扱われていませんでした:

  • IBM i
  • AS/400
  • RPG 言語

「RPG 言語」で調べるとゲームの作り方しか出てきません。

少し調べただけでは体系的な学習情報も見つけられませんでした。

COBOL 同様、いわゆる”レガシー“というカテゴリに分類されている技術で、ユーザーも発信者も限られているようでした。
私が普段情報収集で使う Zenn には一つも記事が確認できず、Qiita にはかろうじて数人の発信者がいるような状況。初学者が独学するには少しハードルが高いです。

実は価値がある?レガシー市場

COBOL や AS/400 といった汎用機はいまだに全国で稼働しています。

  • 金融機関、官公庁、大企業の基幹システムで現役稼働
  • 保守・運用できる人材が不足している

流石に大手の企業では Java などの言語に置き換えが進んでいるようですが、
資産があまりにも巨大すぎたり予算を割けないなどの事情から、今後も使い続ける方針の会社は多く存在するようです。

市場価値の観点

このような背景から、レガシー技術を扱える人材には以下のような価値があるかもしれません。

  • 長期安定的な需要
  • 競合の少ない専門領域
  • 高い希少性による単価の向上(ここはちょっと怪しい。弊社に降りてくる COBOL や RPG の技術者の単価は他の言語とさして変わらない。むしろ低い場合が多い)

生成 AI の登場で変わった意識

生成 AI の登場で、自分の考えが少し変わりました。

生成 AI を使えば、基本的なコマンドの説明やコードの構造をその場で確認できます。わからないことをキャプチャして投げかければ、その画面で何が起こっているのか、返ってきた情報をもとに検証しながら学ぶ、というサイクルが成立できると考えました。

以前なら諦めていた技術でも、今なら少しずつでも学べるかもしれない。

現代的な技術を学ぶだけでなく、低下することはあってもなくならない市場価値が学習の動機となりました。

また、これまでのやり方だとやり方だと手も足も出なかった過去の技術を生成 AI の力を借りて学習し、
現代の技術と融合させることができたなら、人類にとって、は大袈裟でも一人の技術者にとって大きな自信になると思いました。

加えて言うと、昭和 OS と呼ばれる放送・通信・道路・公共交通網・水道電気ガスのインフラを生産労働人口が減少する中、いかに維持し活用するかが、自分たちの世代のミッションになるかもしれない、という問題意識を持っていたので、これは技術者である自分に与えられた宿題のようにも思えました。

学習計画を立ててみる

志がいくら高くてもいきなり大規模なことをやろうとすると続かないので、まずは小さなプロジェクトを目標にすることにしました。

第一段階:顧客情報管理システム

学習のゴールとして、「顧客情報管理システム」を作ることを設定しました。

これまでの知識を活かして、RPG で同様の仕組みを作るにはどのくらいの時間がかかるか、ざっくりと見積もりを立ててみました。

想定スケジュール

  • 1 日 1 時間ずつ進める
  • 2〜3 週間で形にする

第二段階:図書貸出管理システム

さらに、その次の段階として「図書貸出管理システム」のような、ステータス管理を伴うアプリケーションを目指します。

所要時間の見積もりも含めて、自分用のロードマップとして整理しています。

フェーズ目標システム想定期間主な学習内容
第 1 段階顧客情報管理システム2-3 週間RPG 言語の基礎、でーたの操作
第 2 段階図書貸出管理システムTBDステータス管理、複雑な業務ロジック、ファイル操作
第 3 段階スマホアプリTBDスマホから IBM i のデータを参照・編集できるアプリの作成

やっていき宣言

こういった学習は、続けることが一番の難関になります。
なので、先に宣言しておくことにしました。

そして続けることの一番の秘訣は、続けることだと知り合いに教えてもらったことがあります。

完璧を目指さず、少しずつ記録していくスタンスで続けてみるつもりです。

AS/400(IBM i)の写真をもう 1 枚載せておきます。

社内の他のサーバーよりも一回り大きい黒い筐体、正面の IBM のロゴ。
正直、最初は圧を感じましたが、今はちょっと格好良く見えてきました。
これを使いこなせた時の自分の姿を想像すると、少しワクワクもしてきました。

「これ?AS/400 だけど?」

「ターミナル画面はこんなん。青と緑の文字がLinux よりかっこよくね?」

今後について

今回の記事は、0 日目の記録です。

ここから、週 1 回のペースで進捗を残していく予定です。

記録予定の内容:

  • うまく動いたこと
  • 詰まったこと
  • 学んだこと

全部メモ代わりに残すつもりです。


この記事が、同じような境遇にある若い技術者に届けばと思います。

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